羊追い講習会     
@マザー牧場

 2001年6月2日、千葉のマザー牧場に羊追いの講習会を受けにでかける。
参加者(犬)はクリ母さん。まだ一度も羊を見たことはないが、「ボーダーとして生まれたなら一度は羊を追わせてやりたい」などと勝手なことを考えた私は彼女の意見も聞かずに海を渡ることにした。
 
 川崎からのアクアラインに乗るまで車で40分。早朝と言えども、土曜日のせいか都内は結構車の数も多かったので、制限速度を守って走ってこれくらい。
 いよいよアクアライン。これは私も初めて。なが〜いトンネルをぬけると船のようなものが見えてきた。
ふ〜む、これがうわさの海ほたるか。おみやげは帰りに買うのでそのまま通過。
 木更津に入って国道を走る。こっちは結構空いていて予定よりかなり早くつきそうだったので、ちょっくらファーストフードによってお休憩。
 それでも集合時間より30分以上も早くついてしまい。下の駐車場でワン達の朝ごはんにした。
 そうそう、言い忘れていたが、今日のつきそいはハンスである。
あいにく我が家にタープという洒落たものがなく(あっても一人じゃはれないから仕方ない)、午後から暑くなると予報が出ていたことから、ケージに2頭はかわいそう(木祖村は涼しかったからなんとかおさまっていたけど)なので、ニッキーは母とお留守番とあいなった。

 集合時間をちょっと過ぎて(集合時間は9:00、でもゲートが開くのも9:00だった)ゲートイン(山のゲート)してから荷物をおろして集合場所に向かった。
 エントリーをすませてから講習会が始まるまでの少しの間、私はクリとハンスに囲いの中の羊を見せてみた。が、2頭ともまったく反応を示さない。それどころかせっせと地面の草を食んでいる。なんだ、ウチのはシープドッグじゃなくて、ただのシープじゃん。なんてことを言ってる訳には行かない。アクアラインの通行料と、講習会の参加費、ついでにガソリン代までかけて来ているんだ。せめて羊と一緒に遊んでくれなきゃ来た意味がない。なんかだんだん心配になってきた。

 本日の午前の部はウチをふくめて4組。ボーダー1、オージー1、コーギー1。なんだかみんな名前が似ている(?)。ウチをのぞいてみんな経験者だそうで、わがチームの第一回目はとにかくクリに羊を見せて反応をみることからはじまった。

 私と一緒にノーリードで囲いに入る。羊は囲いのすみにかたまっている。クリスまだ草を食んでいる。まわりのにおいもかいでいる。女の子のくせにマーキングまでしている。おい、おい、大丈夫か〜?

 先生が、私が羊に近づきながらクリスを呼ぶように指示した。とりあえず「アトヘ」と言いながら(これじゃ訓練競技会みたいだ)、羊のかたまりに近づいていく。
 だんだん近くになってきて、クリスがやっと羊に興味を示した。だが、まだ羊が動かないのでクリスもあまり集中していない。羊がだんだん私たちと反対の方向に動き出すと、やっとクリスが羊を追って走り始めた。「ワン、ワン、ワン(アンタたち何者?)」。あれ、ボーダーって吠えたらいけないんじゃなかったかな〜。


 追っているというのか、楽しそうにまわりを走り回っているだけなのか、とにかく1回目は何も指示を出さず、クリがヒ〜ちゃんに慣れるよう様子を見るだけだった。
 先生曰く、「大丈夫、興味はありそうですね。」

 合間に経験者の方々の様子も見る。ふ〜む、浅草から来たという小ぶりのボーダー嬢。スニーク姿がまさにボーダーそのもの。しかも13kgという身軽さで走る走る。見ていて気持ちがいいなぁ。

 シープドッグショーで中断している間、先生のお話や生徒さんの話を聞く。
先生曰く、「そっちの子の方が追いそうですね。」それってハンスのことね。ふ〜む。

 かくして2回目を迎える。ちょっと慣れてきたから自分から追いに行くかなぁと思っていたら、なんと先生の愛犬レオン君にアタックしている。おい、おい、何しに来たのぉ?
でもレオン君かっこいいからしょうがないか。
レオン君。(いやレオン師匠かな?)
軽トラの荷台にちょこっと乗って先生と一緒に
やってくる。
身のこなしもさわやかで、筋肉質のスポーツマン。
かっこいいんだな、これが。
 とにかく2回目も後半になって来ると「カンバイ」と「アウェイ」がごっちゃになりながらも、回りながら羊を楽しそうに追いかけていた。
 「カンバイ」と「アウェイ」は、朝の訓練の合間、私がボールを足で動かしながら移動している時に、私とボールの周りを右回り・左回りさせるときに使っていたコマンドなのだが、今ひとつ本犬は左右の区別がついていない。でも言われるととりあえず回るんだな。

睨んだってこわくないよ〜。


何見てんのぉ?もたもたしないでほらほら動いて〜。
 3回目になって、先生がおっしゃった。「追う事はもう大丈夫ですから、今度はクリスに待てをさせましょう。」
クリスを羊の顔の側の少し離れたところに伏せさせて、私が羊を追ってクリスの方に行くという練習である。
が、だんだん羊が自分のそばに近づいてくると彼女はす〜っと立ち上がってしまう。いくら私が「待て!」「伏せ!」とコマンドしても、「冗談じゃないわ。これじゃ踏まれちゃうじゃない。」と言って動いてしまうのだ。
クリスが動くたびに私は羊のおしりを後ろから押した。重たい、動かない。
一生懸命押しているのに反対側からクリスが追うものだから柵と羊の間に私は挟まった。「痛いっ。」
結局何度伏せさせても、羊が近くに来るとよけてしまう。
3回目も最後は走って追って終わってしまった。

 そして最後の4回目、ウチの前の番だったオージーの飼い主さん、一緒に連れてきた別のオージーと交替させた。そっか、最後までクリでなくてもいいんだ。
クリと同じで最初は草を食んでいたハンスも、クリ母さんが楽しそうに羊を追っているのを見て、後半興奮しっぱなしだった。せっかく遠くまで来たんだから、ハンスもやって見る?

 ハンスもノーリードでかこいの中に入れてもらった。最初はおっかなびっくりでそばを離れなかったが、だんだん興味が沸いてきたのか、羊の動きに集中し始めた。そして思わず追いかけた。
 最初はただむちゃくちゃに追いかけていたが、後半私が「こっち、こっち」なんて言ったら(ハンスはコマンドを知らない)、指示通りうま〜く羊を真ん中にしてまわってみせた。君もやれば出来るのね。

ハンス羊をバラバラにする。の図。
 無事4回の講習会も終わり、ワン達は満足げ。
 とりあえずクリもハンスも羊に反応してくれたし、噛み付かないで追ってくれたから、初回の講習会としてはこんなものかな?と思う。
 やはりワンが指示通りに動いてくれた時(ちょっとしかなかったけど)が、私にとっても、ワンと一緒にやっているんだと感じられて楽しかった。もちろん高度なテクニックを持つシープドッグであれば、彼らが状況を判断して動くことも多いのだろうが、初心者の私としてはワン達と一緒に羊追いという目的で汗を流せておもしろかった。

そして最後に先生曰く、「どんなことがあっても待てが出来るように徹底させましょう。」反省!
「3頭いるのならそれぞれ別々のコマンドを出して遊んだりすることから始めると良いですよ」ハ〜イ♪
ふむふむ、また新しい遊びが増えた。

先生、お世話になりました。機会があれば秋にもチャレンジしたいです!
   
    
海ほたる....。まるで船みたいだにゃ〜。                                  今日は一日お疲れ様。            

 というわけで、帰りは海ほたるで海産物を買って無事千葉ツアーを終えることが出来ました。
同行してくれた姉貴様、普段は絶対に犬行事などには参加されませんが、今回はじめて体験され、ビデオも取ってくれ、ハンスに追われた羊と柵の間にはさまってあざまで作られましたが、お世話になりました。